花田学園スポーツトレーナー研究会 第9回研修会で柯尚志先生講演
日時: 平成19年6月24日(日)10:00〜12:00 場所: 学校法人花田学園 3階講堂
− 演 題 −
”一按即消” 新痛み治療
柯 尚志 先生
日本遠絡医学会会長
遠絡療法研究会代表
ペレス・銀座クリニック院長
柯 尚志(こう しょうし)
1984年 鹿児島大学医学部卒業
1984年 九州大学麻酔科入局
1986年 国立がんセンター放射線科勤務
以後、多の津内科クリニック院長、舞の里内科クリニック院長を歴任
1985年 上海中医薬大学国際針灸科にて研修
2002年 ペレス・銀座クリニック院長
<現在の主な資格、役職>
日本遠絡医学会会長、遠絡療法研究会代表、北里大学医学部非常勤講師、台湾野球協会医療顧問、台湾女子プロゴルフ協会医療顧問
■「一按即消」 新痛み治療について
表題の「一投即消」とは、疼痛部位から遠く離れたところにある手や足のただ一箇所を押しただけで、今まで痛かったところの痛みが、70%以上しかも3分以内に消失することができる方法である。
この原点は一本鍼であるが、「何故鍼を使わなければいけないのか? 鍼で効果がでるものならば、押しても効果がでるはずである。」との考えから始まった。鍼は確かに効果がある。しかし、押すことのメリットは鍼よりも広範囲で、なおかつ手技にも幅がでることであり、そしてなによりも「誰にでもできる」このことにつきる。
こうして、一本鍼から現在の押す治療法が生まれたのである。
■連絡療法とは
遠絡5D医学の理論に基づいて行われる治療法を「遠絡療法」とよんでいる。
遠絡療法の正式名称は「遠道相応穴位経絡療法」であり、これは上海中医薬大学の劉教授により命名されたものである。
遠絡5D医学の治療理論は「一本鍼」を原点としている。ここでいう「一本鍼」とは、決して患部に触れることなく、患部と対応する他の部位(治療ポイント)に鍼を一本打ち、患部の痛みを2分以内に70%以上消失させるものを定義とする。この治療ポイントは、筆者が上海中医薬大学で得た鍼の基礎知識を基に十数年間臨床研究を重ね、約10,000例の臨床データから導き出したものである。治療ポイントのすべては各経絡上に存在し、全部で100以上の細かいポイントに分類されている。
遠絡療法は「一本鍼」の上に西洋医学と東洋医学の問題点を修正することにより、明確な理論体系化がなされた新しい発想と手技による、難治性疾患の治療を目的とした治療法である。
■遠絡5Dimention(5D)医学の特徴
遠絡5D医学の主な特徴は、
- 従来の医療には属さない日本発の日本型医学である。
- 従来のBody(3次元)の医療からLife=生命(5次元)の医学への転換。
- 西洋医学と東洋医学の欠点を修正した新しい医学である。
- 鍼は打たない。注射はしない。薬は使わない。痛いところには触らない。
- 病名に沿って治療するのではなく、新しい理論の基に病理・病態を探し出し、3次元の診断法に沿って治療する。
- 相応・相対関係を利用し、それを基に理論を開発した5次元の治療法である。
- 局所病変に対して即効生がある。
- 難治性疾患(CRPS[複合局所性疼痛症候群]・PHN[帯状疱疹後神経痛]・手足の痺など)に対して顕著な効果がある。
■遠絡5D医学の基本的考え方
人間は次の3つから構成されている。
- Body(身体)
- Life(生命)
- 思考力
本来の医療とは、3次元の「Body(肉体)」を治療するのでなく、5次元の「Life(生命)」を治療することである。遠絡5D医学では、Life(生命)はエネルギーまたは光として永遠に存在し続け、そのエネルギーまたは光によって我々人間は構成されており、そのエネルギーまたは光は5次元の世界と考えている。Body(肉体)があってもエネルギーがなければ人間は生きていくことはできない。つまり、Life=エネルギー・光を治療することは5次元の治療であると考えることができ、その医学理論は5次元の医学(遠絡5D医学)と言えるのである。
今までの医学はbodyを治療していたがこれは間違いであると考える。あくまでLifeを治療しなければならない。もしも、Lifeに問題が生じた場合、その原因は必ず局所(点)の問題から横の流れ(各臓器の相互関係)の問題へ、そして縦の流れ(臓器系統の本体)の問題へと発生し、これら3つの関係から1つの症状が発生し、2つ4つと増え続け数限りない症状が発生する。
治療に当たる場合の遠絡医学の考え方は、一般的な治療法のように症状を分類し検査を行い、病名を探し出して治療をするのではなく、その大元の病態を探し原因から治療していくというものである。
■Life flowの基本的考え方
Lifeを治療するためには必ず、「生体の流れ(Life flow=血液・リンパ・酸素・栄養素など)」の調整を基本とする。なぜならLifeが問題を起こすのは、Life flowが潤滑に流れていないからである。Life flowが潤滑に流れればすべての病気は消えてくる。遠絡療法はLife flowをどのように調整していくかという治療である。
例えば、車が走れるのはエンジン・ガソリン・車体があるから走れるのではなく、あくまでエネルギーがあるから走れるのである。エネルギーが問題を起こすのは、エネルギーの流れ(flow)に問題があるからである。故に、中枢神経由来の手足の痺れなどは、必ず中枢から病態に沿って順序だててLife flowが遮断されている箇所を流れるようにしていかなければ症状の改善は見られない。ただし、局所(点)で発生したものは、原因(点)を調整すれば痛みはすぐに取り除くことができる。
■治療経絡の決め方と治療ポイントの決め方
1本の経絡は12本の経絡中、相対的な2本と相応的な1本と全部で3本の経絡と繋がっている。
そしてそれぞれの経絡は、「本経」つまり疼痛(病変)がある経絡に対して、同側もしくは対側の経絡を用いるのか症例集積の結果をもとに明確に決められている。
疼痛がある経絡に対して、相対的な経絡を用るのか、相応的な経絡を用いるのかは部位や季節によって異なる。
また、遠絡療法では人体の各部位が「1〜6」または「a〜c」といった記号で決められている。例えば手・足関節は「a」という記号で表される。これによって疼痛ライン(経絡のことを遠絡療法ではラインと呼ぶ)と疼痛部位が決定され、それによって、治療ラインが導き出される。そして、その治療ラインの「a」にあたるレベルに刺激を与える。
これが遠絡療法の大まかな治療法である。
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